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カヤ・トーマスさん: より良い明日のために、読み、書き、コーディングを

Elizabeth Moore

2020年11月17日

受賞歴のあるアプリ開発者であり、Calm のシニアソフトウェア エンジニアであるカヤ・トーマス(Kaya Thomas)さんはティーンエイジャーになる前から、数学と科学分野の才能はもちろんのこと、若い女子達の強力なメンターとしての役割でも人々を魅了してきました。

大学を出てまだ数年しか経っていない彼女ですが、ミシェル・オバマから Black Girls Rock!アワードショーで表彰されたり、Glamour 誌の 2016 College Women of the Year の 1 人に選出されたり、CODE2040 フェローや Google の Made with Code イニシアチブのロールモデルを務めたりしています。

ミシェル・オバマさんとポーズをとるカヤ・トーマスさん

実はダートマス大学の学生だった頃、トーマスさんは、有色人種の作家によって有色人種のために書かれた何百冊もの本を集めたモバイル向けディレクトリー「We Read Too」を開発しました。このアプリは、彼女が子供の頃に夢中になっていた本の様々な作者や登場人物を探すために生まれたアプリでした。

2020 年の挑戦が彼女の仕事と仕事へのアプローチをどのように変化させているか、トーマスさんに話を聞きました。

2017 年ダートマス大学卒業式で帽子とガウンを着たカヤ・トーマスさん

25 歳という若さですが素晴らしいキャリアを歩まれていますね。早い段階での成功を導いた秘訣は何ですか?

私は昔から読書が大好きでした。両親がその習慣付けをしてくれたんです。ですから、幼い頃から何かを学ぶということに親しんできました。母は、学校の初日、他の子供たちはみんな泣いているのに私だけは校舎に走って入っていくからなんだか恥ずかしい、と冗談で言っていました。

中学校に入ってからは、STEM(Science, Technology, Engineering, and Mathematics、科学・技術・工学・数学)に興味を持ち、特に数学を楽しんでいました。初めて携帯電話を手にした時のことをよく覚えています。どうやって機能しているのだろう?と思いました。高校では環境保護活動に没頭して、工学を目指すことにしたのですが、ダートマス大学に入学したとき、最初の学期は物理学ではなく人文科学のコースを取っていたので、アドバイザーは私が工学をやっていくことに反対していました。彼のアドバイスで私はとても怖くなってしまいました。

そして冬休みに Black Girls Code の創始者である Kimberly Bryant の TED Talk を見つけて、「これは一体何!」と思いました。そして Codecademy の Python クラスに申し込み、そのクラスにのめり込んでしまいました。それで「コンピュータサイエンスを専攻しよう」と。

スーツを着て講演するカヤ・トーマスさん

パンデミックの影響で、仕事の進め方や考え方が変わりましたか?

私はこれまで特にリモートワークに興味があるわけではありませんでした。でも、オフィスには気を散らす原因がたくさんあります。リモートワークによって深い集中力を得ることができるようになったと思います。

はじめの頃に大変だったことの一つは、バーチャルでの共同作業の方法を見つけることでした。エンジニアである私は、多くの仕事をリモートで行うことができます。それ自体はいいことです。しかし、コラボレーションの中には、ブレインストーミングをしたり、ポストイットノートにスケッチをしたり、といったこともあります。それをビデオ上で行うのはとても難しいことです。

もう一つ大変だったのは、カンファレンスです。カンファレンスは私にとっては発表する場というだけでなく、人と会ってコラボレーションができる機会です。バーチャルのカンファレンスでは同じような感覚は得られませんでした。そして、とても疲れてしまうんです。

mmhmm の特長の一つは、人々を巻き込むことができるということです。というのは、人々が何も起こらない映像を眺めているだけではないからです。あなた自身が画面上に登場して、何かを見せたり、画面上のものと対話したりすることができます。このことで、見ていてもっと興味が湧いてくる流れが生まれます。これは人々がより熱心に参加し、より良い共同作業を行うのに役立つと思います。こういう楽しさとエンゲージメントを(バーチャル世界の)コミュニケーションに取り戻すことが重要なのです。

こういう楽しさとエンゲージメントを(バーチャル世界の)コミュニケーションに取り戻すことが重要なのです
Black Girls Code NOLA ハッカソンでチームのメンターをしているカヤ・トーマスさん

家庭でのサポートや充実感の欠如、家族のストレス、社会的孤立、オンライン学習の難しさなど、このパンデミックの時期に家で大変な思いをしている子供たちに、この状況を乗り切るためのアドバイスはありますか?

私は、成功するため、成し遂げるため、良い成績をとるために、自分に大きなプレッシャーをかけます。私は完璧主義者のようなもので、とても野心的で、強い向上心があります。そういう子供はたくさんいるのですが、特に子供の頃は、自分の環境をコントロールできないことが多いです。

ですから、挫折しそうになった時や、目標に到達できないと感じた時は、自分に優しくしてあげてください。だって、まだまだ自分が驚くような場所に行けるから。もしあなたが何かを持っていないとか、こういう成績が取れなかったとか、社会的に孤立していると感じたら、もう世の中の終わりで、すべてが台無しになっているように感じるかもしれません。でも、そんなことはありません。

今の状況は必ず過ぎ去ります。今は誰もが自分に猶予を与えるべき時期です。自分に喜びを与えてくれるものがあれば、それを毎日少しずつやってみてください。

パンデミックがなにか良いものを生み出しましたか?

反省と内省の機会です。私は常に次のことを考えています。計画を立ててそれを遂行していくのが好きなのですが、今年はすべての人たちの計画や考えが全く無意味になってしまいました。世の中に保証されているものなど何もありません。私にとって重要なのは、もし世界にインパクトを与えたいなら、それを自分で実行するしかないということを再確認できたことです。完璧な時を待つ必要はない。物事を実現するためのタイミングはいつでもいいのです。

(このインタビューは実際の発言を編集したものです。)