ブログ

ジョイス・マシューズさん:教員トレーナーは対面でアナログなワークショップをどうやってオンライン化したか

Ganda Suthivarakom

2021年3月3日

スコットランドを拠点とする教員トレーナーであり、ファシリテーターでもあるジョイス・マシューズ(Joyce Matthews)さんは、教育者がカリキュラムをリアル世界からオンラインの世界へと移行しようとする際に感じる葛藤を理解しています。彼女の教育者向けプログラムは、「アンドラゴジー」の技術をカバーしており、人々を導き、教育者が仕事においてより良いリーダーになる方法を教えています。

マシューズさんの授業は、リアルな教室で行われる対話を想定して設計されていたため、彼女のスキルをバーチャル世界向けに焼き直さなければなりませんでした。mmhmm がアナログ体験をビデオでの体験に移植するのにどのように役立っているか、非同期で学習したい教員向けの専門能力の開発したい理由、そしてパンデミックが終わった後に教育者に継続してほしいことについて、お話を伺いました。

ファシリテートとトレーニングの違いをどのように説明されていますか?

非常に簡単に言えば、トレーニングは未知の世界から既知の世界へと導いてくれるものです。ファシリテーションは、既知から未知へと導きます。ファシリテーションでは、自分自身について多くのことを発見し、自分が知っていることやできることについて多くのことを知ることができます。それは、玉ねぎの皮を剥くようなものです。事前には、何かについてほんの少ししか知らないと思っていたとしても、終了した後には、ひらめきの瞬間を体験し、そして大きな変化があったと感じるのです。これにより、すべての学習者が自分の学習課題を設定することができます。

教員のファシリテーター、トレーナーを始めたきっかけを教えてください。

最初は体育の教師をしていました。私が子どもたちに教えられることはすべて教えたと感じたので、その仕事を辞めました。それから教員のトレーナーになったのですが、これがとても気に入りました。体育の先生をたくさんトレーニングしてきましたが、毎年同じ先生を見ていることに気づきました。私は「どうしてだろう?」と思ったのです。そして、それは先生達に問題があるのか、私に問題があるかのどちらかだと思いました。

私がしようとしていたことは、彼らを私のコピーにすることでした。でも、彼らが私のコピーになるなどということはもちろんありえません。ですから、私は彼らが彼ら自身のより良いバージョンになれるように手助けする方法を見つけなければなりませんでした。そこで私はファシリテーションと出会ったんです。ファシリテーションは、「彼らの」長所や成果、興味のある分野を引き出す自由を与えてくれました。私はファシリテーターとしての訓練を受け、イギリスのナショナル・カレッジ・オブ・スクール・リーダーシップで働きました。そして 2011 年、機会を得て、自分のビジネスを立ち上げたんです。

フリップチャートの前に立つジョイス・マシューズさん

今回、mmhmm はどのようにお役に立てたでしょうか?

パンデミックの前、アンドラゴジーのファシリテーターとしてトレーニングを行う、教員向けの 3 日間プログラムを運営していました。このプログラムは一番人気で、予約でいっぱいでしたが、それが突然止まってしまったのです。

私にとっての mmhmm は、ファシリテーターとしての仕事ができる唯一のプラットフォームです。私はフリップチャートを使うので、それを横に置いておきたいのですが、Zoom ではそれができません。他の人たちは画面を共有したり、パワーポイントを使ったりしていました。私がパワーポイントではなく、フリップチャートを使っているのは、それに私が何かを描くことで、人々が反応できるからです。ファシリテーターとして、人々が見ている最中に何かを描くことができるんです。私はこれをそのまま行いたいと思いました。そして、mmhmm が私の横にフリップチャートを置く場所を与えてくれたんです。これは私のニーズにぴったりでした。

参加者は私に「何を使っているの?」「そのプラットフォームは何?」と尋ねてきましたね。多くの教育者が使いたいと言っています。

今、先生達が一番苦労していることは何ですか?

教員にとって大きな問題は、同期式か非同期式かーつまり、ライブで授業を行うのか、録画して子供たちが好きな時にアクセスできるようにするのかということです。mmhmm のもう一つの強みは、録画がとても簡単で、とても便利だということです。

現在、教育者は本当に苦労しています。リアルな授業のカリキュラムや先生達の 1 日の生活をそのままオンライン化して、授業を次から次に連続して行うことはできません。録画して、それを送る、あるいは何らかの形でアクセスできるようにするか、ライブで授業を行うかの手段が必要なのです。

教育者向けの非同期の専門能力開発をもっとしてほしいと思っています。

非同期授業をすることへの迷いは聞こえてきますか?

そうですね。でもそれは、彼らが非同期授業についてあまり知らないからだと思います。今のところ、教員はまだコンピュータに縛られていることが多いので、教育者向けの非同期の専門能力開発をもっとしてほしいと思っています。MOOCs(Massive Open Online Courses、大規模な公開オンライン講座)のように、好きな時に好きなだけビデオを見ることができるような非同期型の利点に、人々はまだ気づいていないと思います。特に多くの先生は今は寝られていないですし、真夜中に起きていることもあるので、素晴らしいソリューションだと思います。

実際に対面で会える日々が戻った時、教育界はこのパンデミックから何を学び、教育の未来に向けて何を継続してほしいと思いますか?

革新的な先生達がどれだけのプレッシャーにさらされてきたかを実感してもらいたいと思っています。彼らは急に何かをしなければならなくなり、そしてそれを実行してきたんです。そして、彼らは制約の中で革新を続けてきました。ツイッターで先生達が 「またこんなアプリを見つけたよ」 と言っているのを毎日のように見ています。みんな世界中で助け合っています。彼らは自分の専門的な学習ネットワークを構築していて、お互いに助け合い、時が経つにつれますます創造的になっています。ですから私は、彼らがその創造性を持ってさらに前に進むこと、そして自分たちがそういうことを得意としていることを忘れずにいることを願っています。