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チャル・メンテッシュさん:バーチャルな世界で教える ESL

Elizabeth Moore

2020年12月10日

生徒、学生達がスクリーンの前で何時間も集中できるように、世界中の教育者が、注意を引くコツやバーチャル会議での知恵を共有しています。その中の一人であるチャル・メンテッシュ(Çağrı Menteş)さんは、ハロウィーンに mmhmm のお化け屋敷ルームの光り輝く月から語りかける不気味な話を YouTube に投稿し、私たちの目にとまりました。

イスタンブールの ESL(English as a second language、第二言語としての英語)教師、メンテッシュさんは、明らかにオンラインで教えるコツを掴んでいます。彼の生徒数は 3 月以来 4 倍になりました。さらに、2017 年に大人の生徒に試してみてほしいと頼んだ時にはほとんど誰も聞いたことがなかった、Zoom への切り替えにも成功しました。

自宅に閉じこもっている間にオンラインで言語を教えるということについてお話しいただくため、仮想図書館のルームをバックにした自称「内向的」なメンテッシュさんに Zoom 会議でお話を聞きました。

いつ頃から ESL を教え始めたのですか、またオンラインで教えるようになってからはどうでしたか?

2008 年から 12 年ほど教えています。最初は 10 歳の子供から始めましたが、今はほとんど大人に教えています。実は人生で一度も英語圏の国に行ったことがありません。2017 年からは自分のビジネスを運営していて、すでにオンラインでいくつかのクラスを教えていました。新型コロナウイルス以前は、オンラインと対面のクラスを五分五分でやっていました。3 月からは100% オンラインですが、とても順調です。今では 4 倍以上の生徒がいます。

ネクタイを締めたメンテッシュさんが教室で生徒に教えている風景

2020年、教える立場のみなさんにとっては多くのことが変化しました。新型コロナウイルスはイスタンブール、あなた自身の生活、そして働き方にどのような影響を与えていますか?

政府が厳しい措置を課したので、私立の施設や学校は全て閉鎖されました。学校は最近再開したところですが、まだ任意です。私には 8 歳の息子がいますが、学校には行かせていません。オンラインで授業を受けているので、ワクチンの準備が整うまではこのまま続けていくと思います。

オンラインコースの売上や入学者数は急上昇しました。カフェやショッピングセンターが閉まっている状況で、こういった場所は個人レッスンにも使われていましたので、レッスンはすべてオンラインになりました。これまでより時間に余裕があるわけではないと思いますが、生徒たちはこのテクノロジーを学ばなければなりませんでした。私は 2017 年から Zoom を使っていますが、トルコではこれまで誰も Zoom を知らない状況でした。これまでも Zoom で授業ができることをお知らせしてきたのですが、誰もそれを望んでいませんでした。しかし今では誰もが使い方が分かっていて、みんな気に入っています。とても簡単で、家から外に出る必要さえないのです。

mmhmm の一番いいところは、Zoom の画面共有機能を使わなくても、コンピュータ画面と私のカメラ映像を同時に共有できることですね。

ESL の先生として、対面ではできなかったけれど、オンラインでできることは何ですか?

実は、私はオンラインで授業をする方が好きです。語学の授業ではほとんどが教科書を使ってみんなで一緒に話す練習をします。オンラインだと横並びにならずに済むので、メリットの方が大きいと思います。教室でのグループレッスンでは、プロジェクターがないことが多いですし、その場合パソコンの画面は小さすぎます。その点、バーチャル教室では画面を共有するだけなので楽ですね。

mmhmm の一番いいところは、Zoom の画面共有機能を使わなくても、コンピュータ画面と私のカメラ映像を同時に共有できることですね。これは実はネット環境の悪い国にいる私たちにとっては大きなことなんです。そして 2 つ目は、レーザーポインターです。レーザーをセットして、ビデオや本の PDF をズームインしたりズームアウトしたりするだけです。スライドを画面下のトレイに入れて、すぐに切り替えられるのも気に入っています。

トルコ語でも「mmhmm」という言葉を使います。ただし違いは綴りです。最初は調べなければなりませんでしたが、今は慣れて、正しく綴れるようになりました。多くの言語に「mmhmm」に似た音の言葉があるということですから、賢い名前ですね。また、会社の文化を反映しているという点でも面白いと思います。

大人に ESL を教えているメンテッシュさんがプロジェクターを前に教壇に立っている様子

パンデミックの結果として一番よかったことは何でしたか?

自分で自分の髪を切る方法を学びました。今では毎月自分の髪を切っていますが、毎回YouTube を開いて、どうやるかを見ています。男性にとっては大変なことです。というのも、トルコでは、男性は一生同じ床屋に行くのです。私にとっては大きな恐怖でした。もし引っ越しすることになったら、私はどうしたらいいのだろう?と。でも今ではプロの手を借りなくても、自分で髪を切ることができます。

そしてもう一つ。個人的に、人付き合いがあまり好きではありません。何かに誘われるたびに、今日は予定があるから行けないよ、とか、友達に何かしらを言わなければならなかった。でも、今は言い訳をしなくてもよくなりました。

(このインタビューは実際の発言を編集したものです。)